今年は、金木犀の咲く時期が少し遅かった気がします。ばたばたと通院をこなしていたら、あっという間に満開の時期を通り越してしまって、今年はじっくり写真を撮る事ができませんでした。

ちょっとした片手間の隙間時間に撮ったこの写真。結構、気に入っています。何故か一枚だけ花びらが多い子に目が行きました。その花にピンを当てています。

皆と違ってもよい。個性を大切に。
内臓が全部揃って無くたってよい。それを新しい自分の個性として受け入れよう。

そんな事を考えたりしながら、撮りました。一年経って、やっと新しい自分の女性性も受け入れて行けそうです。

日本では、金木犀は雄の木しかないので、自然に増えていく事がありません。人の手によって接ぎ木していかないと増えません。よって、金木犀を植えようという色々な人の気持ちが、ここまで日本に金木犀を増やしてくれたという事になります。

　病院の前に植わっている金木犀。
去年は、パジャマの上にニットを羽織ってこの木の様子を眺めたりしていました。手術の前も、手術後も、この木は病室の中まで良い香りを届けてくれました。これから毎年、金木犀の香りを嗅ぐと、子宮体癌の手術当時の事を思い出しそうです。

金木犀の季語の句を二句…

不幸者は満身追懐の金木犀
祈りの身もだえ金木犀に頭を突入れ
– 中村草田男